輝く光の中で
アルは、プロポーズと共に、ポケットから小さな箱を取り出し
私の左の薬指に、指輪を嵌めてくれた。

そのリングは、ペアリングになっており、アルの指にも
同じリングが嵌っていた。

「ありがとう、アル・・・。愛してる・・・」

「万梨阿、僕も、愛してる。」

二人は、最後の夜を、激しくお互いを求めあい、明け方まで
抱き合っていた・・・。



翌朝は、二人の気持ちを表したかのような雨空だった。

ロンドンに向けて、車を走らせた車内は、今朝から
二人とも、あまり話さず、静かだった。

車内は、雨の音と、車のエンジンの音だけが鳴っていた。

あと僅かで、ロンドンに入ろうとした時だった・・・。

「あ・あぶない!」と、アルが叫んだ!

キィーーーーーーーー。ドン・・・。

一瞬、何が起こったのか解らなかったが、乗っていた車が
道を外れ、道の脇にあった木にぶつかった・・・・・。

私は、ぶつかった瞬間、意識を失った・・・・・。
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