痛々しくも生きている
「つーか部屋って予(あらかじ)め決まってんのか?」

「んー、まだ決まってないみたいだぞ。今から説明受けてー、そんでその後部屋決めするとかナントカ……」

「お前そこ詳しく聞いとけよ」



呆れるアタシにきょうちゃんは「めんご☆」と軽く平謝り。お前絶対ぇ反省してねぇよな。

まあ居なかったアタシも悪いんだろうからそれ以上何も言わないけどさ。


なんて二人で話をしていると、スーツを着た先生が片手を上げ大声で「集まってくださーい」と言ったので、きょうちゃんと一緒に輪の中に入っていく。

にしても多いなー、新入生って何人くらいいるんだ……って、うわっつ?!



「わわっ……ごめん!」

「あ、こちらこそ悪かっ…………ほんとスイマセンでした。なるべく地味に行動しますんでできれば今後一切関わらないでくださ「そこまで何かしましたっけ?!」



誰かとぶつかったと思えば……またヘンテコリンなのが出てきたぞ。


アタシがぶつかった相手は女……だけど女じゃない。

むしろムサ男なんだけど。



「オカマか……。いや別に人の趣味についてアレコレ言うわけじゃないけど一つ言わせてもらっていいか?いいよな?
ハッキリ言ってキモいぞ」

「アレコレ言うより酷いッ!」



だってキモいんだよマジで。

ゴツいムサ男が女子の制服着てんだぜ?目に毒どころか脳天に爆弾投下してきやがったよ。



「失礼過ぎない?!ちょっとワタシ傷ついちゃった……って、どこ行くんじゃワレェエエッ!!」

「…す、すいません」



ものごっつ男声やん。
ドスきいてもうとるやんけ。

思わず謝っちまったじゃんか。

いやまあ、そそくさと逃げようとしたアタシが悪いんだろーけどさ。

なんてプチハプニングで戸惑っていると救世主きょうちゃんが来た。

お前今までどこ行ってたんだよ。
つかいつの間に消えてたのか謎すぐる。

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