痛々しくも生きている
「きょうちゃんマジ神」

「は?!ってかお前どこ行ってたんだよっ、もう説明始まってるぞ…………………って、愁。この人は…?」



あーあ。きょうちゃんもオカマなムサ男に気づいたみたいだ。

固まっちまってんなオイ。



「ハーイっ、ワタシの名前は【ミナリン】でーっす。よ・ろ・し・く・ね(ハート)」

「「………。」」



できればヨロシクしたくねぇっス。

つか本名聞いてんだよ。オカマ名なんか誰も聞いてねぇし。



「あらら?そういやアナタ…【武藤 愁】だっけ?さっき生徒会役員に任命されてたわよね」

「………。」

「しゅ、愁!別に生徒会に入ったからって悪いことばっかじゃねぇぞ!なんかイイコトあると思うし!なっ?」



腹黒チビ会長とのムカつくやり取りを思い出して(ついでに榊との喧嘩も思い出して)、一気にオーラがドス黒くなるアタシにきょうちゃんがフォロー。

つかてめ、カマ男…っ
一発殴らせろッ!

思い出したくもねぇもん思い出させやがって……っ


そんなアタシに気づいたのか気づいてないのか、カマ男はさらに言葉を続ける。



「ふふっ、これからもよろしくね。愁ちゃんっ(ハート) アナタとはまた別の機会で話すことになりそうだわ」

「あ?…それってどういう、」


「はーい、それでは今から部屋決めをしたいと思いまーす」



怪訝な顔をするアタシと嫌な笑顔を浮かべるカマ男。

その会話の間に入ったのは先生の声だった。

どうやら部屋決めを今からやるらしい。



「チッ……おいカマ男、一体テメェは誰なんだよ」



アタシのことだけ知られてるなんて…………面白くねぇだろ?

そう言い放って相手を睨むとカマ男は人混みの中に紛れていって……



「って、おい!答えろよ!!」

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