副社長は溺愛御曹司
そう言うと、なぜか、あきれたようなため息をついて、私を抱きしめた。

裸の上半身は、やっぱり熱くて、もとから体温の低い私は、ヤマトさんの平熱と1度くらい違うんじゃないかしらと考えた。



「じゃあ、教えてください」

「ダメ、自分で見つけな」



なんだか上から言われるのに、見つけますよ、とふてくされた気持ちになる。

まあ、まずはさ、と、指が私の髪を梳いた。



「俺を、好きになってよ」

「はい」



だから、なるって言ったじゃない。

そうあきれたところを、ぎゅうっと、痛いくらいに身体をしめあげられて。

さすがに抗議しようとすると、肩口から、あーあ、と困ったような声がした。



「ほんと、好きだよ…」



ぴったりとくっついた、たくましい身体が、ドクドクと早鐘を打っているのに気がついた時。

私は、幸せってこういうことかもしれないと思いながら。


なんでか、笑いがこみあげて。

熱い背中を、抱きしめた。







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