木漏れ日の下で・・・
やがて、冬がやって来ました。
小学校ももうすぐ冬休みになります。
もう、吐く息も白くなり、
外を歩くと手がきんきんしますが、
それでも毎日ユウキとプチは泉へ行きました。
木は、静かにそびえたち、
しかし、ほとんど葉っぱを無くしたその枝は、
どこか元気がないように見えます。
妖精さんはついにおじいさんになってしまいました。
最近では、もう枝に登ることもなく、
木の根っこの部分にいつも座っています。
ユウキは、妖精さんに学校であったことなんかを話して聞かせます。
妖精さんは、いつも静かに、
でもにこにこと幸せそうに聞いています。
ユウキは妖精さんに、
暖かい手袋をプレゼントしました。
妖精さんは、その手袋を、
しわだらけになった手にはめ、
とても嬉しそうに微笑みました。
そして、妖精さんは静かに歌い始めました。
その声は、今までの歌声の中で一番しっかりとしていて、
一番暖かくて、そして、一番すみきった歌声でした。
その歌を聴きながら、ユウキとプチは、
とても幸せで暖かい気持ちになりました。
だけど、なぜでしょう・・・
なんだかとても悲しい気持ちになって、
ユウキはわんわん泣いてしまいました。
なんで、泣いているのかユウキにも分かりません。
そんなユウキを妖精さんが、すっと抱きしめてくれました。
隣で、プチも泣いていました。
木が、また少し元気をなくしたような気がしました・・・。



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