Garnet~大好きの伝え方
揚げ足を取るようなおうむ返しに、僕は一度、呼吸を入れた。

言い直す。

「僕は、加奈を守ることも、できない……。僕じゃきっと、加奈を――」

「傷つけちゃう?」

「……と思う」

「思うって?」

「なんていうか、たぶん……たぶん傷つける」

「どんな風に?」

「どんな風にって……」

揚げ足を取って取って取りまくる西村さんは、首を右へかしげ、

「加奈ちゃんが、傷つくって言ったの?」

「いやそれは……」

今度は左へかしげ、

「それじゃあ、加奈ちゃんがイヤだって言ったの?」

「いやそれも……」

そしてまた右へかしげ、

「加奈ちゃんそんなこと、言って、ないんだよね?」

「……ああ」

最終的に、ふわりと微笑んだ。

そしてなにかを説得してくるような、まさしく「ほーらね」という表情で、

「ほーらね」

と。
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