Garnet~大好きの伝え方
あの「ブーッ!」がなくったって最初から、西村さんの質問に答えるのは無理だったのかもしれない。

でもそれでも、加奈のことについて僕が一言も口にできなかったのが、悔しかった。

人は人を完全に理解できなくても、そうだとしても、加奈を一番理解するのは、したいのは、僕なんだ。

「ふふふぅ、ヨシくんどうしたのかな? すっごい怖い顔になってるよぉー? よよよよー?」

「西村さんがすぐに時間切れとか言うからだろ。時間さえくれれば、いくらだって……」

「いくらだって?」

「……いくらだって……僕が、加奈をどれだけ好きなのか、教えてやれるよ」
< 179 / 370 >

この作品をシェア

pagetop