Ｇarnet～大好きの伝え方

「北川の言うとおり、僕だって、好きな女の子がすぐそこにいて、そんなに冷静にはいられない。

キスをしたいとか、抱き締めたいとか、そういう手っ取り早い欲求が、大波みたいにいつだって僕に迫ってくる」

「なんだよ。それじゃ、俺と同じじゃないっすか」

「そう、悪いけど、お前と同じだ」

簡単に認めたヨシの言葉に、北川くんの表情が凍りついたのを、見た。

山でクマと遭遇したみたいに、彼の足がじりりと半歩、下がりもした。

私からじゃ、ヨシの背中しか見えない。

ヨシがいったいどんな顔で今の言葉を言ったのかも、わからない。

けれど――