トールサイズ女子の恋【改稿】
 やがて水瀬編集長は唇を離して服の袖で口元を拭うと、大きな手で膨らみを包んで円を描くように動かし、細長い指先は膨らみの先端に刺激を与えていくから、また声が出る。

「ふっ…、あぁ…」
「やばいな」

 何がですか?って聞きたいのに身体に力が入らなくて、水瀬編集長に視線を向けるのが精一杯で。

「俺、余裕がなくて優しく出来そうにない」

 水瀬編集長は私のお腹を優しく撫でながら瞳を潤ませ、そして私のお腹を優しく撫でていた手がスカートにかかり、留め具を外して静かにファスナーを降ろした。

「ちょっとだけ身体を浮かせられる?」
「はい…」

 私はスカートを脱がしやすいように腰の部分を浮かせると、スカートはするりと自分の元から離れてベッドの下に落とし、私だけこんな姿は狡いからまったをかけるように水瀬編集長の顔に手をつけると、水瀬編集長は眉間に皺を深く寄せる。

「星野さん?」
「私だけ…、こんな姿は狡いです。水瀬編集長も…」

 私は精一杯の抗議をして水瀬編集長の眼鏡をそっと外してみると、普段四つ葉出版社では眼鏡なのに素顔を見れるのは恋人としての特権かもしれない。

「確かにフェアじゃないね」

 水瀬編集長は体を起こすと上の服を脱いでベッドの下に放るように服を投げ、更にタンクトップを脱いで上半身が露になると腹筋は綺麗に割れていて、それは美術でよくみる彫刻と同じみたいな体つきで、その姿に惚れ惚れしてしまう。

「じっくり見られると恥ずかしいな」
「水瀬編集長だって、私をじっと見てるじゃないですか」
「綺麗だからずっと見たくなるんだよ」

 水瀬編集長が私の下着に手をかけて脱がして何も纏う物がない状態になり、私の脚を撫で回す水瀬編集長の手付きは大切な物に触るような優しい動きで全身が火照っていく。

「……っ、やぁっ…」

 頭の中で理性を保とうとしても撫でられる度に、唇が肌に這う度に何処かに飛んでいって、声にならない声を部屋に響かせた。

 やがて水瀬編集長が私から離れると金属音が数回鳴って布が擦れる音が聞こえ、遂に一線を超えるんだと頭が理解し、水瀬編集長は私の両手に手を重ねて顔を覗きこんだ。

「ご免…。さっきも言ったけど、加減が出来そうにないから今のうちに謝る」
「大丈夫です…」

 私が精一杯に微笑むと水瀬編集長は身体を密着させ、私たちは深く繋がった。
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