トールサイズ女子の恋【改稿】
 俺と姫川が扱うジャンルの情報は日々変化するスピードが速いので積極的に人脈を広げていかないと置いていかれそうになるから、接待や交流会には出るようにしている。

 何がきっかけで仕事に繋がるか分からないし、もしスポーツに興味を持っている業界の人がいたら仁にも紹介しようかな。

「明日は仕事で遅れないようにしなくちゃね」
「ああ。また明日な」

 姫川は席に戻り、俺も仕事を再開し、部下たちが提出した数か月先の『Clover』に掲載する特集の企画書に目を通して選別をし始める。

 ファッションのページでは夏を通り越して秋へのコーディネートを提案したり、恋愛のページでは『読者からの悩みを募って占い師が答えると』いう内容で、例として『元彼と別れて今の彼氏と付き合っているが、元彼にも良い部分があり、交際を続けるべきか悩んでいる』とあった。

 そういえば美空の元彼ってどんな男なのだろうか?と浮かんだけれど、今は俺と付き合っているのだから考えるのはおかしいよな。

 一緒にランチに行くときに少しずつ進んで行こうと言ったばかりだし、この恋愛ページの企画は無しの方向でいこう。

 先ずは明日の交流会をこなせば週末の美空とのデートが実現できるから、早く明日にならないだろうかと考えることに集中した。
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