トールサイズ女子の恋
 歓迎会が一旦お開きになったので全員お店の外に出て、私は改めて総務課の人たちに挨拶すると、別れ際に女子社員たちからは私と水瀬編集長が駅まで帰るのを羨ましがられ、木村さんは酔いが回った課長の付き添いで先にタクシーに乗って帰っていったけど、まだ残りたかったようにしていた。

 そして一緒に帰る予定の水瀬編集長はというと、高坂専務や姫川編集長のところにいる。

「姫川も一緒に2軒目に行こうぜー」
「行かねぇ。仕事が詰まってんだ、帰る」
「ふ〜ん、行かないならそれでいいよ。九条ちゃんと一緒に歌っちゃうから」
「はぁ?」
「ねぇ九条ちゃん、俺と愛の歌を歌おう?」
「えぇ、それはちょっと……」
「ま、待て。仕方ねぇから付き合ってやる。おい水瀬、お前も来るだろ?」
「ごめん、俺は先に帰る」
「嘘だろ?先に帰んなよ」
「はいはい、姫川。諦めてさっさと行くよ〜。水瀬、明日な」
「ああ、明日ね」

 高坂専務たちは水瀬編集長に別れの挨拶をして、喧騒する夜の街に向かって行った。
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