トールサイズ女子の恋【改稿】
「駅、着いたね」
「あっ……」

 お店から駅まではあっという間で、私たちは改札を入ってホームに繋がる階段前で立ち止まる。

「明日からも宜しくね、俺はあっちのホームだから」
「送っていただいて、ありがとうございました。お休みなさい…」
「ん、お休み」

 私は水瀬編集長に小さく手を振って帰宅に使うホームの階段に向かい、電車が来たので乗った。

「ふぅ…」

 空いている席に座ると疲れがどっと出ちゃって、大きなため息を吐いた。

 勤務初日の疲れとお酒の酔いも手伝ってか、体がふわふわとした感覚になっているし、頭もぼぅっとしてくる。

 地元の駅に到着して、とぼとぼと歩く。

「水瀬編集長って話しやすかったなぁ」

 お洒落だし、社員たちから好かれているし。

「彼女だっていそう……」

 恋愛をしに転職をした訳じゃないけど、また振られる恋をするのなら、ここで好きな人は作らないでいた方がいい。

 作らないほうがいいに決まってるもの。
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