トールサイズ女子の恋【改稿】
 俺の恋愛って、いつもこうだ。

 家系的に身長が低くて小学生の頃は背の順で前から2番目が定位置で、身長を伸ばそうと牛乳を飲んだりしたが高校生の時に169センチまでしか伸びなかった。

『私、バスケ部のM君が好き』
『身長の高い人が好きなの』

 俺だってバスケ部だし身長はそこそこ高い方だけど、メンバーは身長が180センチを超える奴が多く、女子たちはそういう奴ばかり恋愛対象として見るのがお決まりで、それは学生生活後の社会人になってからも続いた。

 仕事は元々本とファッションが好きで縁があって四つ葉出版社に就職することが決まり、ファッション部に配属されてから少しずつステップを踏んでいく。

 そして女性モデルと打ち合わせするなかで自分よりも背の高い女性に目を向けるようになったのは、きっと自分の身長コンプレックスからきているからで、でも良いなぁと思っていても結局は背の高い男性の方に目を向けられるのが多くて、告白をしても恋愛対象として見られてないのが殆どだった。

 いつも自分の身長で振られていて、そしていつからか俺の理想の恋愛は『こんな身長の低い俺でも隣に並びたいって言ってくれる人』ということを思うようになった。
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