キスマーク
もしかしたら、今の私は一哉とホテルの部屋に入った時よりももっと醜い女に成り下がっているのかもしれない。
「ねぇ、シオリさん」
「何……?」
「でも嬉しいんだ、俺。シオリさんが、こんなに雨に濡れても帰らずに連絡のつかない俺を待っていてくれたから……嬉しい」
「大袈裟ね……」
「大袈裟なんかじゃないよ。むしろ捜してくれていたんでしょ?」
「……」
「“ヒロ”って、今にも泣きそうな顔で俺の名前、呼んでくれたよね」
「―…っ」
ヒロが私の耳たぶを優しく咥える。
寒さで震う私の身体を抱き寄せて、何時もの合図を送ってくる。
「シオリさんの耳たぶも柔らかい」
「んっ……」
「マシュマロみたいに甘いよ」