キスマーク



ヒロは女を―…年上の女の心を擽る魅力がある。


それにまんまと惹きつけられそうで怖い。




出逢いは失恋してまだ一ヶ月の夜。



寂しさを紛らわすように、痛みを紛らわすように抱き合った相手。



一哉と別れた後は私はヒロしか知らない。




そんな状況が私にヒロへの特別な感情を抱かせようとしている。




特別な感情を抱いたって、結局は無駄になってしまう年下の男に“恋をしている”なんて錯覚をみてしまったらダメ。




と、その瞬間、



「っ……!」



首筋に感じた小さな痛み。






< 108 / 207 >

この作品をシェア

pagetop