キスマーク



でも、それを言うなら商社マンも同じ様なものかもしれない。


出張は多いし、残業や休日出勤は当たり前。というか、商社勤務じゃなくても、こんな風に多忙なスケージュールの仕事はたくさんあるんだろう。


“~の妻”という肩書きを選ぶか、もっと家族で過ごす時間を作れる相手を選ぶか―…そんな感じで皆、色んな選択肢の中で優先したい条件を選んで結婚していっているのかな、なんて考えてみたり。


と、



「鈴原さんは?」



と、久瀬さんから訊ねられる。



「本当に付き合っている男性はいない?」



さっきとは逆に質問されてしまう私。



「―…いたら、ここには来れませんよ」


「ちょっと間が空いたけど」


「そうですか?気のせいです」


「いや、田崎さんは鈴原さんの会社の常務だし、重役からの紹介を断れずに来たのかな、と」



久瀬さんの言葉に、確かに、断れなかったってことは全く無いって訳ではないけど、と思う。


でも、今回の話はそんな理由だけで受けたわけじゃない。



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