キスマーク
「いえ、無理にとか、そう事ではないので大丈夫です」
「じゃあ、真面目に結婚相手を考えて?」
「はい。二十七歳ですし、それを前提にお付き合いできる男性がいれば、と思っています」
「本当に今はそういう相手はいないんだ?」
「残念ながら、いませんね」
そんな会話をしながら、今度は茶碗蒸しに箸をつける。
“いませんね”と久瀬さんの瞳を見ないままで。私の心の瞳が見ているのは―…
また、浮かんできた年下の彼の顔。
シャボン玉みたいに心に浮かんでくる彼の姿を割ってみても、また新しいシャボンの玉が浮いてくる。