キスマーク
初めてのお見合いを終え、
「じゃあ、また必ず時間を作って連絡しますね」
「はい。待ってます」
そんな会話を交わして、その日は帰路に着くことになった。
久瀬さんが拾ってくれたタクシーに乗り、自分のマンションに帰る。
少しだけアルコールがまわった身体で後部座席に座り、ぼんやりと窓の外を眺める。
ビル、コンビニ、ファミレス―…流れる夜の街景色。
最初は見慣れない景色が多かったけど、しばらく走行すると記憶があるものに変わる。
でもそれは自宅の周辺だから、という訳ではなくて、よくタクシーで行き来しているルートだと気付く。
今走行している場所からヒロのマンションが近い。