キスマーク
ねぇ、もういいでしょう?
私がヒロと関係を切りたい理由は話したつもり。お願いだから邪魔をしないで。
「やめてってば……!」
「嫌だ。俺、ちゃんとシオリさんに伝えたい事がある」
「私はヒロから聞きたい話なんて無いっ」
「じゃあ、ずっと離れないよ」
「もうっ!」
逃れようとする私に、逃がせまいと力を強めるヒロ。
傍から見れば修羅場だ。
第一、ちゃんと伝えたいことって何?
この間だって話があるなんて言っていたくせに、結局ろくに話もしないで残していったのは何時ものしるし。
「こんなことしたって、もうヒロと寝る気はないわ……」
「そういう事じゃない。俺はシオリさんに―…」
更にぎゅっうと私を抱きしめてくるヒロ。
「お願いだから、俺の話を聞いて」
そう訴えてくるヒロの瞳は、とても真っ直ぐで真剣な眼差しをしてる。