キスマーク
「で、どうなの?」
と、麻里が確信に迫ってくる。
「そんな相手がいたら合コンなんてわざわざ参加しないって」
“いないってば”と笑いながら否定する私。
「だから“新しい男”っていっても幅広いでしょ?真面目に付き合ってる人とかじゃなくて、ワケありの男とかさ」
「ワケありって―…例えば?」
「妻子持ちとか、オフィス内不倫とか……」
麻里の言葉に、ああ、そっち系のワケありか、と何となくホッとしてしまう。
「図星??」
「なワケないでしょ……下手したら訴訟問題になりそうな付き合いなんて勘弁だわ」
「だよねぇ。詩織って、そういう面倒な付き合いはしないタイプだもんね」
「当たり前でしょ。リスクありとか時間の無駄」
きっぱりそう言い切ると、「お待たせ致しました」と、ウェイターが日替わりランチを運んできた。並べられたランチを見て、
「わー美味しいそう!」
と、早速麻里がフォークを持つ。「いただきまーす」と言いながら、既にフォークにパスタを巻き付けてしまっている。パスタを口に運ぶと、
「おいし~い!!」
と、幸せそうな声を出す麻里。
すっかり“食べモード”がオンされたみたいで、私の“新しい男”疑惑なんてすっかり何処かに行ってしまったみたい。