キスマーク
まぁ、そっちの方が都合が良いから良いんだけど……
そう思いながら、私もクルリとフォークにパスタを巻きつける。それにしても―…ヒロったら、どうしてこんな時間帯に連絡を?ヒロからの用件を考えてみるものの、どうせ“今夜会いたい”とか、そういう類のものしか浮かばない。
そんな真面目に気に留める事でもない、か。
私もモードを“食べモード”に切り替える。午後からは会議もあるし、早めに戻って資料や会議室の準備をしなきゃいけない。
ランチを食べ終えると、次は仕事モードをオン。
会社に戻れば、午後の時間も目まぐるしく過ぎていく。
一日の業務を終えて、更衣室に入ったのは18時半。
「定時ちょっと過ぎちゃったけど、この時間に上がれてラッキー」
スカーフを取りながら嬉しそうに麻里が言う。
「19時からエステ予約、だっけ?間に合うね」
そう言いながら、私もスカーフを外そうと首元に手をやる。けど、昨日ヒロから付けられた痕があることを思い出して―…不自然じゃない程度に麻里に背中を向けて着替えを始めた。