キスマーク
立ち止まりはせずに、だらだらと歩きながらの会話。
「じゃあさ、これからの時間は俺と二人で飲むって事でどう?」
いいよね?と、ナンパ男は人懐っこい笑顔を向けてくる。
「―…二十歳は超えてるよね?」
一応、年齢確認してしまう私。そんな私の問いに、
「大丈夫。ちょうど二十歳。来週には二十一歳になるし」
と、答える彼。
二十歳……未成年じゃないなら、暇つぶしにはなりそうかな。ちょうどまだ飲みたい気分だったし、飲みに付き合ってくれる相手もいないし。
「ふーん……良い店知ってんの?」
「まかせて。俺の行き着けのバーでいい?」
「いいよ……」
「じゃ、行こうか」
私の口から承諾の言葉が零れると、ヒロは馴れ馴れしく私の手をとって行きつけのバーとやらに向かって歩き出した。
並んで歩くものの、
どうすんの?着いた先がぼったくりバーとか、
実はナンパと見せかけたキャッチで、めちゃくちゃ高いホストクラブだったりしたら……
なんて考えてしまう私。
けど、
いいや。
いい。
どうでもいい……
そんな気分。