キスマーク
「おねーさん、名前なんて言うの?」
首を傾げて覗き込むように聞いてくる彼。そんな彼のほうを見ようともせず、並べられたキープボトルをぼぉっと見ながら、
「―…詩織」
愛想無く答える私。
「あー、ぽいぽい。イメージ通り」
「あっそ……」
「俺はね、ヒロ」
「ふーん……」
と、そこで、
「お待たせ致しました」
という声の後、オーダーしたカクテルがコースターに置かれる。先にカクテルを手に取ったのはヒロ。
「じゃあ、シオリさん」
と、乾杯を待ってる。私もゆっくりカクテルを手にとって、先ずは、ジントニックとカシスオレンジで―…
「乾杯」
そう言って微笑んでくる、ナンパ男ヒロの表情は年下のくせに何処か艶っぽい。