キスマーク



“行くの?”って―…



「行くけど、何か?」



ヒロの顔も見ず、冷たい口調で言う私。



「先々週も行ってたじゃん」


「良い男がいなかったの」


「今回もいないって。シオリさん理想高そうだもん。無駄足、無駄足」



「そういうの余計なお世話って言うのよ」



理想高そうだとか、無駄足だとか……ホント、腹の立つ言葉。大体、“また”って何よ……先々週、久しぶりに行ってみただけなのに。まるで私がしょっちゅう私が男漁りに出掛けてるみたいじゃない。


失礼なヤツ。



「じゃあ、ここにいる時間も無駄っぽいし、帰ろうかな」


「駄目だよ。週末の夜なのにシオリさん帰っちゃったら寂しいじゃん」


「知らないよ……そんなの」



寂しいなら他を当たればいいじゃない。


そう思いながら、ベッドから起き上がろうとする私。


けど、



「駄目だって」



と、言って私の身体にしがみついてくるヒロ。


年下だけど、二十歳過ぎだし身体つきは大人の男。


これじゃあ、起き上がろうと思っても起き上がれない。





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