ダイス



「深水さんて、浅川さんのこと好きですよね?」


まるで中学生のような質問に深水は思わず笑いたくなった。


「何だよ、それ」


そんなことを訊いて、本当に何になるというのだ。


「でも、結婚なさってますよね?」


「お前には全部関係のないことだ」


深水は立ち上がりながら吐き捨てた。


「あたしには関係ないですけど」


紘奈はそこで一旦言葉を止めた。


「浅川さん、何て言うんですか? 今の事件より、過去の事件に拘っているふうに見えてならないんです」


紘奈は少し伸びてきた髪が邪魔なのか、肩に届いている毛先を弄りながら言った。


「それが捜査の妨げになるって?」


紘奈がそんなことを苦言してくるタイプではないのは承知でそう返した。



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