ダイス




「違います」


紘奈は案の定、口を少し尖らせた。


「じゃあ、何?」


ここまで自分にずばずばと進言してくる部下は初めてだ。


まあ、それは彼女の熱意の現れなのだろうし、長所にも思える。


一言で言ってしまえば物怖じしない性格だ。


「危ない、というんですかね。彼女が過去に拘る理由は何と無く分かります。それでも、固執し過ぎに思えて……」


紘奈の言葉には同感だった。


確かに幾ら理由があるにしろ、彼女は過去に拘っている。


今の事件より、過去の事件の方に目を向け過ぎなのも事実だ。


だがその話を自分にして何になるというのだ。




.
< 106 / 265 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop