ダイス
「違います」
紘奈は案の定、口を少し尖らせた。
「じゃあ、何?」
ここまで自分にずばずばと進言してくる部下は初めてだ。
まあ、それは彼女の熱意の現れなのだろうし、長所にも思える。
一言で言ってしまえば物怖じしない性格だ。
「危ない、というんですかね。彼女が過去に拘る理由は何と無く分かります。それでも、固執し過ぎに思えて……」
紘奈の言葉には同感だった。
確かに幾ら理由があるにしろ、彼女は過去に拘っている。
今の事件より、過去の事件の方に目を向け過ぎなのも事実だ。
だがその話を自分にして何になるというのだ。
.