ダイス



からかわれているのか。


それとも、本当のことを喋っているだけなのか。


だが自分をからかう必要など何処にもない。


だとすると本当のことを喋っているだけということにたる。


「逮捕しよう、なんて思わないでね」


明良はいつもと変わらない調子で言った。


目の前にある表情もいつもと変わらない。


「今、新しい《ダイス殺人事件》が起きてるよね?」


明良の言葉に紗江子は無言で頷いた。


頭が正常に動かない。


目の前に座って、何気無い調子で話すこの男が連続殺人鬼だなんて。


信じられない、という想いが胸を占めるなか、心の奥ではそれを納得していた。


他の人と違うから、気になっていたのだ。



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