ダイス
「……やめてくれ」
「お前と同じことをしたんだ。お前が自分に教えてくれたんだ。お前はこんなことをしてたんだ。自分の亡霊がそう言ってくるのよね?」
彼女の姿をした自分が言うのだ。
お前がそんなことをしなければ、こんなことにはならなかった。
元凶は全てお前なんだと。
「やめてくれっ」
明良の声は静かな夜道に微かに木霊した。
「そうなのよね?」
紗江子は真っ直ぐに彼を見ながら訊いた。
明良は黒目が浮いたような瞳にうっすらと涙を浮かべて頷いた。
……そう、やはり同じなのだ。
自分と彼の感覚はよく似ている。
紗江子は明良の頬にそっと手を伸ばした。
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