ダイス



少し骨張った頬が指に触れる。


その肌は少し荒れていて滑らかではない。


女の肌とは全く違う指触り。


紗江子はそこに指を滑らせ、彼の頬を掌で囲った。


目と目が合い、空気が止まったように感じられる。


こうして世界の色はどんどんと失われていくのだ。


紗江子は目を閉じて、彼の唇に自分の唇を重ねた。



これで自分の世界が終わるなら、それでもいい。






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