ダイス



「どういうこと?」


紗江子が尋ねると、紘奈はえ、と驚いたような顔をした。


「あの、ここだけなんですけど」


紘奈は言いながら、九人目の数字に赤いペンで丸を付けた。


そこにあるのは「一」の数字。


紗江子は丸みを帯びた紘奈の字を見詰めた。


「これ、後一人、だなぁと」


確かに。


紗江子はその推察に頷いた。



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