ダイス




「新井から連絡が来たって?」


深水が声を掛けると、雪音はゆっくりと顔をこちらに向けた。


雪音は立ち上がりながらこくんと頷いた。


こども達のはしゃぐ声と、ブランコの揺れる音。


走る、ばたばたとした足音。


全てが自分達の間に流れる空気とはそぐわない。


「いつ?」


深水は煙草に火を点けようとしたが、直ぐ近くにベビーカーがあったので止めておいた。


近くにいる若い母親に文句を言われるのが嫌なわけではない。



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