冷たいアナタの愛し方
テーブルを挟んで真向かいに座っていたオリビアは、酒が進むにつれて身体が赤くなったことに気付いていつつも止められなかった。


ルーサーに告白してからこの国を去るべきか…

もしくは今後も連絡を取り合って友としての仲で留まるか…

前者を優先するならば、もし振られた時に仲がぎくしゃくしてしまうかもしれない――

酔っていつつも意外と冷静なオリビアは、瞳がとろんとなっているのをジェラールに凝視されつつ、ジェラールのグラスに酒を注いだ。


「大体ルーサーは鈍感なのよね。きびきびしてるし優しいけど、私のことなんか全然気にしてない感じだわ」


「…ルーサーが好きなのか?」


「え!?どうしてわかったの!?私…態度に表してた!?」


「……」


言い当てられてぎょっとしたオリビアは、いそいそ立ち上がるとジェラールの隣に移動して手に無理矢理グラスを持たせてぐっと顔を近付けた。

逆にジェラールは身体を引いたが、逃さないと言わんばかりに袖を掴んで追及。


「どうしてわかったの!?」


「…気付いてないのはあいつ位なものだろ。…あまり態度に表していると、レイドにやられてしまうぞ」


「それは駄目よ!ああやっぱり…告白しない方がいいのよね…。そうよね…その方がずっと連絡を取り合っていられるもの…」


しゅんとしょげて俯いてしまったオリビアの手をシルバーがぺろぺろ舐めて気遣うと、この天狼は無理矢理身体をねじ込んでオリビアとジェラールの間に居座った。


「…あいつならお前を振ったとしても今後も態度は変わらないと思うが」


「私が変わるわよ馬鹿!馬鹿馬鹿馬鹿!」


馬鹿を連発されて閉口したジェラールは、シルバーの耳の後ろを掻いてやりながらぽつりと呟いた。


「…じゃあ俺はオリビアか…」


「え?オリビアが…なに?」


「なんでもない」


不機嫌な様子でグラスを呷ったジェラールの真っ青な瞳を見つめているうちに、じわりと涙が浮かんだ。


「私みたいな小娘…好きになってくれるはずがないわよね…」


「……」


それには答えられなかった。
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