「同じ空の下で…」

アイスを食べ終わると、瞬と一緒に事務所を出た。

タケルは、あと30分だけ頑張ってみると言っていた。


もう終電なんてとっくに過ぎていたので、瞬に送って貰う。


月がやたらに綺麗な夜。


「…今日さぁ、渡したい物あったんだ。」


「うん、何だろ?」

軽く返事をしながら、運転席の瞬を見る。

月の光に照らされて、絵に描いたように美しいシルエットの瞬が目に飛び込んでくる。


「少し早目のバースデープレゼント♪今日、丁度1か月前じゃん?」


「えっ?マジですか?…てか、もう私に歳をとらせたいの?」


運転する瞬の左脇を軽くグーでパンチする。


「…だってさぁ、来月はイベント本番もあるし、それやりながらアメリカ準備もしなきゃならんし…ゆっくり会えるかわかんねーし…。」


「…ああ、そうだね。…でも、プレゼントなんて要らないのに。」


「あ、そ。じゃ、あげない。」


「え、やっぱ欲しい!」


「俺に謙遜とか通用すると思うな、艶香!」


「はいごめんなさい、プレゼント是非下さい!!!」


「アパートついたらね。」


「わーい!何かな何かな!」


・・・・と、馬鹿みたいに子供ぶってはしゃいでみたりする。


< 187 / 646 >

この作品をシェア

pagetop