「同じ空の下で…」

アパートの下に車を路駐すると、瞬は私の顔をジッと見つめた。


「10秒数えるから、その間、目を閉じてて?」

「はい。」

「いくぞ?い~ち…に~い・・・・」

数を数えながら、瞬は私のおでこに自分のおでこをくっつけて、数を数えながら更にはじゃれ合うようなキスをしながら私の左手を取ると、薬指に器用に指輪をはめた。

「は~ち…きゅう~…」

10の数を数えながら、瞬は長くてとろけそうなキスを私に与える。

「…目を開けてもいいよ♪」

唇が離れ、瞬もゆっくりと私から顔を離す。

言われて、ゆっくり目を開けて自分の左の薬指を見た。


「リング?」


「…エンゲージとかじゃないけど。」


驚くほど指にジャストフィットしてる、ハートモチーフに綺麗にピンクダイヤが並べられた可愛らしいリング。

カッティングが流線型を描いていて、細くて華奢なデザイン。

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