「同じ空の下で…」
一度も指輪のサイズなんて聞かれた事がないのに、この人はどうやってこんなジャストフィットの物を見つけたのかが、疑問である。

「…気に入ってくれた?」

「…うん。指に…ピッタリだよ、瞬。」


瞬に見せるように、私は手の甲を瞬に見せながら、瞬の顔を見た。


「ほんとだ。すごいな、俺。」

「偶然?」

「…だとしたら、カッコいいけどね。」


悪戯にニヤッとする、瞬。


「…艶香が寝てる間に一度指のサイズを手で測って、自分のどの指が一番艶香の指に近いかを探って、それを参考にして選んでみました♪」


「…嬉しい。…瞬、ありがとう…。」


嬉しさのあまり、咄嗟に運転席の瞬に抱きついた。

いつものように、優しく肩を抱きしめてくれる瞬。


「どういたしまして。少し…いや、かなり早いけど、おめでとっ♪」

「アリガト・・・・」


好きなだけ、私は瞬を抱きしめた。


「アリガトアリガトアリガトぉ~・・・・!!!」


こういう演出にめっぽう弱い私は、泣きそうになったのをごまかすように瞬の前で変にふざけて見た。


「さっ、明日も仕事だろ?」


雰囲気を裂くように、瞬が私から体を離す。


私は静かにうなずく。


「また、時間出来たら…なっ?」


「うん。本当に嬉しい。ありがとう、瞬。」


「ん♪」



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