「同じ空の下で…」
瞬の車からゆっくり降りて、帰りたくない衝動を抑えながら、瞬の車を見送った。
部屋に戻り、自分の左の薬指にはめられたそのリングを飽きるまで眺めていた。
毎日、身につけよう!
絶対に無くさないように、大切にしよう!
瞬の事、忘れないように…これをくれた時の感情を忘れてしまわないように…。
ずっとずっと…。
一人になり、やっと自分の心に素直に従い、溢れだす喜びに満ちた涙を流した。
いっぱいいっぱい…涙を流した。
この感情は…メソメソと泣いてるのとは違う。
そして…
こんなに沢山の喜びの感情をくれた瞬をもっと大切にしようと思った。
よく考えたら、瞬にはいつも貰いっぱなしだなぁ。
だけど、瞬が誕生日を迎える日には、私たちは既に各々の場所で暮らし、そして一緒に居る事もできない状況だ。
・・・・いや、瞬が今日私にそうしたように、何ヶ月も早くてもいいから瞬への感謝の気持ちを
今、瞬が傍にいてくれるうちに、伝えたい。
誕生日になんて拘る必要なんて全くないのだ。
貴方が居るうちに、
瞬の存在に感謝できるうちに、
瞬に出会えた事を感謝したいと、思った。