「同じ空の下で…」



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翌日から、アフターファイブは頭を真っ白にして無心でパソコン作業に没頭していった。

最初は自分のもともと頼まれていた文書作成から始めて、さっさとその作業(おおよそ10件近くあった)を小一時間で終わらせて、タケルのデータ作業に取り掛かり、頭を無にしてひたすらデータ打ち込みをした。





一旦ひと段落をつけ、軽く休憩を取りながら作業を勧めてれば、自然にお腹がすく。


[from:岡崎 瞬]


[title:夕飯、食いにいかない?]


絶妙なタイミングで瞬からのメールが届く。




横でHP更新作業をしてるタケルも、私の事を気遣ってくれ、


「なんか買ってくる?」

と、声をかけてくれた。


「瞬からご飯のお誘いキマシタ。」

パソコンから目を背けずに、数字を打ち込みながらタケルに返事を返す。


「あらまぁ、仲がよろしいのですね。」


「そんな事ない。タケルも良ければ一緒にどう?」


「お邪魔のようですからご遠慮いたしますわ。」


「…いつからオネエキャラになったのよ?気持ち悪い、タケル。」


「…ごめん。PCばっかやってたら頭が変になってきた…。いや、違う、変に振る舞いたくなってきた。…または自分の内に秘めた何かが芽生えたのだろうか…?」

一人喋り続けるタケルは、とりあえず話相手にでもなって貰いたそうだった。




「…あとちょっとしたら、手を休めるから5分待ってて?」


「へーい。」




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