「同じ空の下で…」
第11章 その時まで。
■第11章 その時まで。





【イベントまで あと  30 日】


誰が作ったのだろう…。

達筆な筆字で描かれたそれをパソコン作業の目を休める様にしながら、私はぼんやりと見ていた。

目薬を差し、暫く目を閉じると再び開眼させまた、目線をパソコンに向ける。



・・・・あと30日しかないっていうのに私の地味な作業は30日以上の仕事量だ。

タケルも勿論、同じようにパソコン作業をしているが、専らHP更新の方が難しさを極めて居た為、時間がそっちに費やされていて、ほとんどの仕事は私に回ってきた。

無論、自分で言い出した事だから仕方がないのだが。



職場でも期末処理の為、殆どの時間をパソコン作業に費やされて、ここに来てもまたパソコン作業を続け、眼精疲労と肩こりと闘いながらの毎日。


瞬と時々会えば、優しく肩をもんでくれたりもするが、そんなんじゃ、こんな頑固な肩こりはほぐれず、むしろ肩こりは悪化していき、時折激しい頭痛が見舞ってくる事もしばしばあった。


イベント関係者は誰もが忙しく、誰一人と弱音を吐く人が居なくて、『私も自分一人が大変な訳じゃない、皆大変なんだっ!』と自分に言い聞かせながら、仕事と任務をこなしていた。


瞬は…というと、あれからごく普通だった。

いつも通りだった。

時々皆の前で私をネタにからかい、ごくごくいつも通りだった。


その方が、瞬らしい…───。
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