「同じ空の下で…」

瞬は相変わらず、皆のまとめ役に入っていて事務所で会う事も減っていた。

それでも、自分の仕事と両立して、更には私との時間も作ってくれたりして自分の渡米準備なんて後回しで色々駆け回っていた。

時々、仕事の進捗状況などの様子を見に来てくれるのだけど、それは瞬だけが特別取る行動ではなく、遥人や嘉斗や蓮や由美や里奈も同じように様子を見に来てくれてる事だった。

それぞれの係の事を報告・連絡・相談…そう、お仕事の鉄則『ほうれんそう』を任務としてやってきてくれてる…ただそれだけの事。


データ入力に於いては、読み上げなどを早く終わった係の人が手伝ってくれたりしていた。



そして、外部の関係者との接触や打ち合わせにそれぞれ、忙しそうに動いていた。


それが、イベントへの30日付近。


プライベートを優先する人など誰も居なかった。

誰が決めた決め事でもない。暗黙のルールが生まれていた。



そんな生活だから殆どの人が寝不足だったり、自然とストレス状態だったりしているのを、器用にタケルや遥人や蓮が気遣って、飲み会を開催したりしていた。


自然に…男女の間に何かが芽生えるのも、私と瞬だけではなく他にもある訳で…。

やたらと、美容師の由美とアパレルショップ店員の蓮が一緒に行動してるのを何となく私も気が付いていたが、見て見ぬ振りをしていた。

てっきり、タケルとかなぁ…なんて思って、瞬と密かに話していたけども…。
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