「同じ空の下で…」
――――――――・・・

退社後、由美と連絡を取り合うと、待ち合わせ場所に向かった。

由美はもう、すでについていた。

「遅れたね、ごめ~ん」

「いいのいいの、私も来たばっかりだし。しかし、寒いね」

「うんうん、寒かった~」

「何食べよっか?」

「あ~…、どうしよっかな。あ、おすすめコースでいいや」

「あ、じゃ、私も。」

店員を呼び、注文をすると、互いに煙草に火をつけた。

「で、由美、なんかあったの~?」

「あ、そうそう!えっと、同窓会あるの知ってる?」

「知らない。あるんだ、同窓会。」

「中学の時のね。」

「ふーん。いつ?」

「予定は、1月。でも、その同窓会よりさぁ、その後にイベントが
あるんだけど、この前~、偶然、企画者達に会っちゃって、なんか、
人集めしなきゃなくってぇ、一人じゃ心細いから、艶香、巻き込もう
って、思って♪」

「人集め?しなきゃ、なくって?・・・どゆこと?」

「なんか、係を頼まれちゃったんだよね、成行きで・・・」

「なりゆき・・・。あたしも係をやれって事?」

「ま、そんな感じ♪いいよね、艶香」

「え~~~?!勘弁してよぉ」

「あれ、駄目だった?どうしよ、勝手に艶香の名前書いてきちゃったよ?
電話して取り消す???」

「なによぉ、事後報告なのぉ・・・?」

「いいよね、艶香?やろうよ~~!」

とっても軽~く言う由美の大きな瞳。

カラコンをしてなくても、茶色…いいや黄土色の瞳を潤ませて、

私をじっとみる。口許は、口角が少し上がっていて、完全に

男ならイチコロな仕草だった。

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