「同じ空の下で…」

常務が出てくると、勿論、高梨も同時に出てきた。

香織さんに、肘でつつかれる。

「…なんです…かぁ…。」

つぶやくように香織さんに返すと

「あ、こっち来るよ」

と、言われ、私は慌てて平静を取り繕って頭を下げ、

「お疲れ様でした」

と常務に告げる。

「…英君、昼食は外出する。午後には社に戻るので何かあったら受けておいてくれ。」

「承知いたしました。お気をつけて行ってらっしゃいませ。」

そう述べると、悠々と歩く常務と高梨の後ろを歩いた。

香織さんを横目で見ると、社長から何か指示を受けて居た。




「はぁ~~~~…」

デスクに戻り、机に突っ伏すとふか~く溜息をついた。

はっきり言って…会議室では息が詰まる思いだった。



昼休み…────。

久々に社員食堂に行ってランチをした。

窓際の席に座り、ナポリタンをフォークに絡めながら、スマホの中のチェックをする。

タケルからのメールが届いていて、新聞の記事を撮影した画像と、瞬の御祖父さんの葬儀日程についての内容だった。

タケルが言った通り、瞬の御祖父さんの死はどうやら地元紙に載ったらしい。

【由美は、仕事の都合があり告別式には参列出来ないとの事。俺と蓮とかそこら辺は行くけど、艶香、どうする?ちなみに、由美からは一応お悔みとかそうゆうのは預かったけど…。これ見たら連絡下さい。】
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