「同じ空の下で…」

そのメール内容を見ながら、私は迷っていた。

御祖父さんとは直接面識は無いけど、行く事を迷っていた。

瞬の事を思えば、迷わずには居られなかった。

だけど…参列して最後のお別れぐらいは…しなければいけないような気もしていた。

迷いに迷った挙句に意を決して、タケルに返信する。


[To:安堂タケル]

[text:私も参列します。]

…送信。



社食を出て、ロッカールームまでの間、またスマホが制服のポケットでブルブルと震えた。

タケルかな?…と、歩きながら画面を確認すると瞬からだった。

ほんの少し、緊張感を覚えて立ち止まって画面を凝視した。

[From:岡崎 瞬]

[text:       ]


本文には何も書かれていない事を不思議に思っていると、メールには添付があった。

…まさか、御祖父さんに関わる何かとか…

そんなんだったら嫌だなとか…

そんな事、瞬がする訳ないと思いながら、恐る恐る写真を開いてみると…



彩雲の写真だった。



ちょっとだけ、自分と瞬の間に運命を感じて私は身震いした。

偶然でしょ?と、軽くとらえる気持ちと、運命を感じてしまった事実と…。

何だか変な心境になりつつも、嬉しかった事には変わりない。




″あの瞬間、あなたも同じ空を見ていたんだ″…と。



だから、今までの事を信じてしまう。

たとえ、遠く離れた地だとしても、

私たちはきっと、

いつでも同じ空を見上げて、

同じ気持ちで互いを思っていたんだ。


この彩雲の写真が…そう物語っている様に思えて仕方なかった。


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