「同じ空の下で…」
少しずつ日が短くなっているのが分かるのは、夕焼けが見れる時間が、定時間際である事。
赤く染まった空に包まれながら、会社を出て帰路に着く。
[From.岡崎 瞬]
[text:今日は外でご飯食べない?家ついたら連絡頂戴。迎えに行く。]
そのメールを確認した後、高梨からの不在着信を見る。
いつもなら会社から駅に向かう足を反対方向に向け、会社からさほど遠くない公園の方へ歩いて行く。
人気が少ない銀杏並木に差し掛かり、銀杏の木々から零れ落ちる夕焼けの光の中で、高梨の不在着信へ、折り返しの電話を掛けた。
5コール目に、少し不機嫌そうな声で応答する高梨の声が耳に届いた。
「こんにちは。艶香です…。今、お時間大丈夫でしょうか?」
『御無沙汰してます、艶香さん。貴女からの電話なんて珍しいですね。』
「い、いえ。お電話を頂いていたようなので…。」
『そっか。そういえば…。メールより、お話しした方が良いと思って…。』
「はい、折り返し、お電話致しました。お話、したい事あって…。」
『あいにく、今日は既にこれから外注と打ち合わせを兼ねての会食があるので、手短に…いや、別に時間を取った方がいいですね?』
「…電話でも、構わないのですが…准一さんにお任せします。」