チャットの貴方に恋をする
「…なんなの?話って」
私はぐっと息を詰まらせた。言いたいことは山ほどある。でも、ちゃんと言えるか分からない…
………でも
「…ごめんなさい」
言わなきゃ、終わらせることも始めることも出来ないのだ。瑠璃ちゃんが目を丸くする。瑠璃ちゃんが口を開く前に、私は言葉を紡いだ
「私は恭平に告白された。恭平が私のこと好きなんて知らなかった。あいつは私にとっては友達なんだ。告白も断った。私は…七海さんだけしか好きじゃない」
一瞬の静寂が私たちの間に生まれた。綺麗事と、今さらなにと、瑠璃ちゃんは罵るかもしれない。
でも、伝えたかったのだ。私が誰を好きなのかをー
「雪那ちゃんの、そういうとこ嫌い…」
「うん、嫌いでもいいよ。言ってくれなきゃ分かんないよ。私は面倒くさがりだから気づこうとしないから」
「恭平くんのこと、私がとっちゃうよ?」
瑠璃ちゃんが、目元に涙をためていう。よっぽど不安だったのだろう。私が恭平と付き合うのではないかとー
「いいよ。でも幸せになってくれなくちゃ嫌だよ」
瑠璃ちゃんが嗚咽を漏らす。瑠璃ちゃんは大切な、私の大切な、人間不信な私が信じるくらい大切な友達なんだ。
絶対幸せになってほしいー