ケータイ彼女に恋して
カラオケボックスの個室は、いくら公共の部屋とは言え、
扉が閉めきられ、4畳に満たない密室で、かつムードをかもすような薄暗い明かり…、
一人部屋に女の子を連れ込んだような気になっても致し方ない。
なおかつ、隣りの女の子ミズキは俺に身を預け眠っている。
少量のアルコールにより解れた理性が、いつ弾けても可笑しくない。
いや、アルコールのせいに出来る程、飲んでない。
たかが、カクテル一杯だ。普通は酔わない…
…普通は。
部屋に流れる音が一瞬止まり、
空調の小さな音さえ妙に耳につく。
胸の鼓動が、俺の肩から通じて、眠るミズキに伝わりそうで何だか怖い。
……
俺は、再びミズキの髪に触れた。
その時――…!!
ガチャ!
部屋の扉が開けられる音と共に、
一人の女の子が入って来た。
色黒のリエという子だ―…。