ケータイ彼女に恋して


俺はいきなりの扉の音にビクッと体を震わせた。

しかし、それよりも…


リエという子は入って来るなり、目を大きく見開き、泳ぐように視線を交差させ、

俺とミズキ、テーブル…俺、ミズキ…と、交互に見返した後、奇声にも似た声を張り上げた。



「あぁぁ――――っっ!!!!!」



その声に驚く間もなく、リエという子は、俺とミズキの元に…、

いや、テーブルに駆け寄り、空になったグラスを掴んだ。

数分前にミズキが飲み干したグラス。


「お酒飲ませたねぇーっ、アンタっ!?」


リエという子は、俺を凄い形相で睨みつけた。

凄い形相と感じたのは、気迫負けした俺の感覚かもしれないが…

それよりアンタはないだろう。

俺の突っ込みよりも早く、リエという子は、更に憤る。


「ミズキはお酒ダメなんだからーっ!甘酒で酔っちゃうんだよっ!!!」


そう吐き捨てた後、俺とミズキの座る向かい側のソファーに腰掛けた。


はぁ、危なかった。何て呟きながら。


「ちょっと待てよ。別に俺が飲ませた訳じゃないし。

知ってたら、止めてたよ」


俺は、余りに感情的に映るリエという子を見ながら、

弁明の言葉を続けた。
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