noir papillon


カチリと、撃鉄が引かれる音が聞こえた気がした。
聞こえる筈もないのに。


後は人差し指を添えた引き金を引くだけ。
それだけで弾丸は発射される。




 「くっ……」


動きを見せたのは満身創痍のタクミ。

瞬時にビルの屋上へと転移した彼はシンリの握る銃へと手を伸ばす。




 「さて、間に合ったかな?それとも……」


鳴り響く銃声。
舞う血飛沫。


ぐらりと揺れる2人の姿。

バランスを崩した2人は共に屋上から落ちてゆく。




 「…タクミ……?シンリ……?」


2人は無事なのか、遠くからでは分からない。


顔面蒼白のリッカは震える声で2人の名を呟いた。










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