noir papillon


陽の光を浴び煌めく刃。
鎌を掲げる柴架はミヤビ目掛けそれを振り下ろす。



吹き出る紅い雫をその身に浴び、倒れた彼女を見下ろす柴架は高らかに笑う。




その筈だった。




 「ん?」


だが、実際はそれとは異なった。

柴架が鎌を振り下ろす寸前、ミヤビの姿は其処から消えたのだ。




振り返ると、ミヤビを抱え治癒を施すリッカの姿。


邪魔をされ苛立ちを覚えた柴架は2人の方へと一歩足を踏み出すが、その瞬間浮かび上がる巨大な魔法陣。


光り始めたそれを目に退避しようとするが間に合わない。




 「くっ……」


顔を歪めた柴架は膝を折り両手を付くと、遂には地面に俯いて倒れ込む。



立ち上がろうともがくが、重力をかけられた彼女の身体は動かない。


そして更に彼女の動きを塞ぐ為、無数の黒い腕が地面から伸びてきた。










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