noir papillon
忘れてはいけない事のような気がするのに、何か思い出そうとすると酷い頭痛が襲う。
「んー……」
頭を抱え独り唸っていると、ガシリと肩を掴まれた。
何事かと振り向くと、一枚の紙を手にするシンリの姿。
「何唸ってるか知らないが、依頼を済ませに行くぞハル」
「依頼?」
シンリの手にする紙に目を通すハル。
それは子猫探しの任務であった。
「そんな依頼位1人でやれよ」
「何だとハル。私が誘ってやってるのに断る気かこの野郎!」
突然掴みかかってきたシンリだが、割って入ったタクミによって救われる。
「時には皆で仲良く依頼を受けるのもいいじゃないですか。ね、ハル?」
皆でと言う言葉にミヤビとリッカに目を向けると、2人は既に支度を終えていた。
「少し身体も動かしたいし」
「気分転換なのだ」
この状態、独り断る訳にもいかず、渋々と言った感じでハルはゆっくり頷いた。