この恋は、絶対に秘密!
そうね……。

恋愛経験はないに等しいけれど、私ももう子供じゃないんだもの。何が良くて何がダメなのかくらいはわかる。

まぁ岬さんなら、遊んで捨てられるだとか、そんな事態にはきっとならないだろうけれど。



「……ありがとう。私、汐美さんに頼りっきりだけど、また一つお願いしてもいい?」

「何でしょう?」

「彼の服、乾いたら持っていくから……家まで送ってくれる?」



素直に“彼の家に行きたい”と言えない私。

気恥ずかしさから斜め下に視線を落として呟くと、汐美さんはふふっと笑いを漏らし、「かしこまりました」と言った。




私の中に燻る恋心はどうしても彼を求めてしまうの。


“もっと岬さんのことを知りたい”という好奇心は、いつの間にか“もっと一緒にいたい”という欲求に変わっていた。


それを満たすには──
一晩だけでは足りないの。








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